自由な場所と逃げたい私

適応障害とか言われてる20歳女子の精神病棟入院記。10月20日退院。

置かれた場所で咲けません。

通称アネックス。入院病棟本館にいた私は、別館に移動になりました。もう2週間ほど前のことですが。病院側の決定、主治医の許可。私に拒否権はありませんでした。

「申し訳ありませんが、今日の午後に移動していただくようになります」
え?・・・何も言えませんでした。その日の午後は、院外作業療法でボーリングに行く予定だったし、最近借りた本はまだ読んでないし。
それが6月19日の話です。私は散々、抗議しました。急性期治療病棟は3ヶ月いられるはず、どうしてまだ2ヶ月しか経っていない私が移動なのか。主治医と話をさせろ。診察以外では患者と話はしない?ふざけるな!抗議に熱が篭っていくほどに、なんだか泣けてきました。せっかく作った人間関係、看護師との信頼関係。全てをイチから作り直すのかと思うと、絶望感に襲われました。加えて、アネックス病棟という場所には、悪い噂ばかりが流れているのです。思春期真っ盛りの女の子がたくさん入院している場所です。女のヒエラルキーというやつが当たり前に存在するのは想像にかたくありません。喧嘩別れみたいなことをしたあの娘も、アネックスにいるわけです。絶望、絶望、憤怒。私は泣きながら荷物をキャリーバッグに詰め込み、ベッドの上で放心していました。そうしていると、何人かの男性患者が連絡先を交換したいと持ちかけてきて、私は3階病棟でそれなりにモテていたことを知りました。16時頃、大して親しくもない看護師が台車を持って迎えに来ました。私は内心の嵐を抑え、落ち着いた様子で移動を受け容れました。仲の良かった患者さんたちが見送りに来てくれました。私は深く頭を下げて、アネックスへの通路に足を踏み入れました。